鎌倉世界遺産登録推進協議会
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武家の古都・鎌倉ニュース第8号

 

平成20 年度総会開催  世界遺産登録の今年度推薦要請を見送り

5 月29 日(木)、鎌倉商工会議所ホールにて「平 成20 年度鎌倉世界遺産登録推進協議会総会」が開 催され、本推進協議会の副会長である石渡徳一鎌 倉市長から、鎌倉市が国に対して行う、ユネスコ への推薦要請を今年度は見送る考えであることが 発表されました。
◎ 鎌倉の世界遺産登録推進 事業の経過と今後の取り組 みについて(石渡市長の報 告要旨)
「これまで、鎌倉の世界 成20 年度に文化庁へ推薦 要請を行い、ユネスコの所要手続を経て、平成22 年度に世界遺産登録をめざすというスケジュール に基づいて、準備作業を進めてきたところでござ います。既に皆様もご承知のこととは存じますが、 過日、世界遺産登録を目指す平泉に対して、イコ モスが出した勧告は、「記載」、「情報照会」、「記載 延期」、「不記載決議」の4 段階のうち、「記載延期」 という大変厳しいものでした。この「記載延期」 とは、記載のためには、より綿密な調査や推薦書 の本質的な改訂が求められるものです。昨年の石 見銀山のイコモス勧告も、今回の平泉同様、記載 延期であったことにも見られるように、最近の世 界遺産登録における審査は、段々と厳しくなって いるものと痛感しております。特に平泉は、鎌倉 としても先進事例として学ぶところが多く、推薦 書原案の作成など、大いに参考とさせていただい ておりましたので、今回の結果は、改めて準備作 業の難しさを感じ、また、重く受け止めていると ころでございます。こうした状況を踏まえ、文化 庁とも綿密に協議を行い、7 月に開催されるユネ スコ世界遺産委員会の可否の行方を見守るととも に、その前提となるイコモスの勧告内容を十分分 析、検討し、鎌倉が世界遺産登録を確実に行うた め、慎重な対応を図るべきと判断したところでご ざいます。従いまして、文化庁との協議の結果、 本年度中に行う予定であった文化庁への推薦要請 を見送り、地元として要望していた平成22 年度の 登録目標は、困難となりましたことをご報告申し 上げます。新たな目標年度につきましては、一刻 も早い登録を望むことに変わりはありませんが、 文化庁との協議が必要なことから、今後、決定し てまいりたいと考えております。鎌倉の世界遺産 登録に向けて、本日お集まりの皆様には、大変申 し訳ないと思いますが、登録までの作業を万全に 行うためと、ご理解いただきたいと思います。
鎌倉の準備状況は、他の候補地のどこよりも進 んでいると認識しており、平泉の次は鎌倉です。 早期の登録実現にむけて、引き続き努力してまい ります。どうか皆様も、これからも変わらぬご支 援をお願い申し上げます。」

世界遺産登録への思いを市民とともに
平山郁夫さんが推進協議会の特別顧問に就任

ユネスコ親善大使であり、鎌倉市名誉市民でも ある平山郁夫氏が、本推進協議会の特別顧問に就任 する旨石渡市長から報告がなされ、平山郁夫氏から は、次のコメントが寄せられました。
「多くの歴史的遺跡と文化的遺産を持つ鎌倉市 は、永久に平和都市であることを宣言しています。 平和の祈りの絵を描き続けている私にとって、鎌倉 の遺産が世界文化遺産に登録されることは、大変喜 ばしいことです。こうしたことから、多くの市民の 方々が参加されている、鎌倉世界遺産登録推進協議 会に特別顧問として加わり、皆さんと一緒に鎌倉 世界遺産登録の実現を目指していきたいと思いま す。」
 これを受け石渡市長からは、「今後は、養老孟司 会長及び、平山郁夫特別顧問のお力添えをいただき ながら、鎌倉の世界遺産登録に向けた、更なる推進 活動をお願いしたいと思います。」との発言があり ました。

 

平成20 年度《鎌倉世界遺産登録推進協議会》総会◇報告
昨年度事業報告と今年度事業計画を承認

世界遺産登録に向けたスケジュール変更と平山郁 夫氏の特別顧問就任の報告に先立ち、総会の議題と して、平成19・20 年度の推進協議会活動に関する 事項が提案されました。 養老孟司会長(東京大学名誉教授)が座長となっ て議事が進められ、提案された議題の全てが承認さ れました。
◎ 平成19 年度事業概要報告
 平成19 年度に本推進協議会が実施した事業の概 要について、内海恒雄広報部会長から報告がなされ ました。
 平成19 年度は、登録推進事業部会、広報部会を 中心に、マップ作成委員会や様々な事業を企画・立 案・実施する実行委員会が組織され、7つのイベン ト事業(美術・写真コンクール、ワークショップ、 武家の古都・鎌倉塾の開催、シンボルマークの公募 等)、6つの広報活動事業(会報や武家の古都・鎌 倉マップの発行、パブリシティの促進等)、4つの その他事業(鎌倉まつりやビーチフェスタへの参加) が実施されたことについて、説明がなされました。
◎ 平成19 年度監査報告
 本推進協議会の平成19 年度決算に係る監査につい て、深山照世監事(鎌倉市民生委員児童委員協議会 理事)から、平成19 年度事業概要報告書、収支決算 書及び会計帳簿等の関係書類を照合した結果、適正 に処理されている旨の報告がなされました。
◎ 平成20 年度事業計画  平成20 年度に実施が予定されている本推進協議 会の事業概要について、奴田不二夫登録推進事業部 会長から説明がなされました。
 平成18 年7月に発足し、様々な機会を捉えてこ れまで行われてきた普及啓発活動の結果、鎌倉が世 界遺産登録に向けた取り組みを進めていることにつ いては、市民各層に対して一定の周知が図られ、大 きな成果を上げているという考えが示され、今後も 積極的に周知を図っていく一方、鎌倉が世界遺産登 録をめざすことの意義や目的を、正確に分かりやす く伝え広めるための活動が重要となる旨の方向性が 示されました。
 また、平成20 年度の予定としては、昨年度実施 し好評を得た事業を継続して行うとともに、新たな 啓発事業が提案されました。

【鎌倉世界遺産登録推進協議会 平成20 年度事業計画】

事業区分 主催事業
イベント  (市民参加型)事業 1 世界遺産登録啓発美術・写真コンクール
2 武家の古都・鎌倉塾の開講
3 鎌倉まつりへの主体的な参加
4 市民フォーラム(ワークショップ) の開催
広報活動事業 1 会報「武家の古都・鎌倉ニュース」の発行
2 出版物(マップ・ガイドブック等) の制作・   発行
3 江ノ電スキップ号への中吊り広告の掲示
4 ビデオ等の制作
5 掲示等の促進
6 パブリシティの促進
7 グッズの製作・販売・配布
その他事業 1 総会の開催
2 活動資金確保に向けた取り組み
3 市民活動フェスティバルへの参加
4 各種展示会への参加

共催事業(総会時点での予定事業)
1 鎌倉の世界遺産登録を 「アートで後押し展」
2 「鎌倉の世界遺産登録をめざす 市民の会」シンポジウム
3 鎌倉世界遺産登録推進に向けての 中学生作文コンクール
4 百貨店等での展示会
5 市内県立4 校との連携による講演 会の開催


 

第50 回鎌倉まつり◇報告
「世界遺産登録をめざして」をテーマにパレード

4月中旬、第50 回鎌倉まつりが開催されました。 今年は節目でもあり「世界遺産登録をめざして」を メインテーマとして大々的に行われました。
13 日の午前11 時から行われたパレードの今回 の目玉は武者行列で、鎌倉の後には姉妹都市の行列 が続きました。萩市は大砲を備えた奇兵隊が、上田 市は真田の赤備え、足利市は八木節で踊りながらの 行進が行われました。手作りで甲冑を作る小田原の グループや地元議員団の武者姿、そしてモンゴルか らも華麗な民族衣装に身を包んだ一団も参加しまし た。文字通り「いざ鎌倉」が再現されたようでした。 鎌倉世界遺産登録推進協議会も昨年同様、ノボリ と横断幕を掲げての参加です。今年も各所でマップ を配布しました。また、シンボルマークの入った Tシャツを鎌倉生涯学習センターの前で販売しまし た。当協議会のオフィシャルグッズ第一号で、とて も好評でした。
パレードが終わり、いよいよ鎌倉の世界遺産登録 を祈願しての正式参拝が始まりました。 関係者が舞殿に上がると八幡宮の神官が詔 みことのり を挙 げ、おごそかに儀式が行われました。参拝が終了す ると同時に舞殿の屋根の上にいた鳩があたかも鎌倉 の世界遺産登録を祝うがごとく大空へ一斉に飛び立 ちました。鶴岡八幡宮では源頼朝に扮した石渡徳一 市長が甲冑姿のまま挨拶を述べ世界遺産登録への意 気込みを語りました。姉妹都市の各市長もそれぞれ 応援の挨拶をなされ、熱いエールを送りました。 今年の静の舞は日が暮れてから行われ、舞の解説 も従来の古典文学版ではなくよりリアルな内海恒雄 広報部会長監修の歴史考証版で行われました。
この後、19 日には鎌倉生涯学習センターのホール で世界遺産講演会・演奏会が行われ、15 日から21 日まで、同市民ギャラリーにおいて「鎌倉の美術・ 写真コンクール入賞作 品展」及び世界遺産登 録に向けての『「武家の 古都・鎌倉」美術・写 真展』が開催されまし た。さらに14 日から 18 日にかけて内海恒雄 講師の寺社特別拝観め ぐりも行われました。 普段見る事の出来ない 場所も特別に見ること ができ、とても有意義 でした。

 

第50 回鎌倉まつり記念 寺社特別拝観めぐり◇報告
鎌倉の世界遺産候補地を訪ねました

「鎌倉の世界遺産登録をめざして」をメインテー マに掲げる第50 回鎌倉まつりの一環として、(社) 鎌倉市観光協会主催で推進協議会共催による世界遺 産候補地をめぐる寺社特別拝観めぐりが、推進協議 会広報部会長の内海恒雄さんの案内により行われま した。
世界遺産候補地の寺社には、通常公開されていな い史跡や文化財等を含めた特別拝観をお願いし、そ のご指導とご理解をいただくとともに、寺社本来の 在り方に配慮した特別拝観の心得を守り、単なる観 光や物見遊山ではなく、関係者にとってより望まし い拝観を実施しようというものでした。
4 月14 日 寿福寺では仏殿の釈迦三尊・達磨大師・ 臨済禅師・栄西像などの特別拝観、伝源実朝・北条 政子墓などの拝観、浄光明寺では公開日でない阿弥 陀堂などの阿弥陀三尊・矢拾地蔵像、網引地蔵像、 冷泉為相墓の拝観と覚賢和尚の墓等を特別拝観する 予定でしたが、あいにくの天候で中止しました。
4 月15 日 覚園寺ではご住職のご挨拶と甘茶をい ただき感激しました。副住職のご案内で、愛染堂の の中に入らせていただき地蔵菩薩・伽藍神像を、法 堂に入らせていただき千手観音像を、回春院に入ら せていただき文殊菩薩像を、禅居院に入らせていた だき聖観音・摩利支天像などをご関係のご住職等の ご案内で特別拝観しました。
4 月16 日 建長寺では総門をへて山門に上がらせ ていただき釈迦如来像や羅漢像を、また普段公開さ れていない西来庵に入らせていただき昭堂を、仏殿 の中に入らせていただき地蔵菩薩・伽藍神像を、法 堂に入らせていただき千手観音像を、回春院に入ら せていただき文殊菩薩像を、禅居院に入らせていた だき聖観音・摩利支天像などをご関係のご住職等の ご案内で特別拝観しました。
4 月17 日 高徳院では仁王門をへて、国宝の大仏 や礎石、朝鮮の王宮から移築した観月堂を拝観し、 邸内に入らせていただき庭園や茶室を特別拝観しま した。大仏切通や北条氏常盤亭跡では主に入り口付 近で見学し、史跡の大体の様子が理解できました。
4 月18 日 極楽寺では本堂に入らせていただき、 不動明王・文殊菩薩像を、公開日でない転法輪殿で は釈迦如来・十大弟子像等を特別拝観しました。天 候の具合で一升枡遺跡は中止し、西方寺跡の上杉憲 方の墓等を拝観しました。

 

第50 回鎌倉まつり  記念講演〈要旨〉
もっと知ろう世界遺産 〜映像で見る世界遺産〜

プロジェクト“ワールド・ヘリティッジ” 総括 (社)日本ユネスコ協会連盟評議員    工藤父母道さん

世界遺産条約の早期批准を求めて関係省庁に意見書を 提出し、具体的な協議に入った1990 年当時の状況から すると、今は隔世の感がある。そもそも世界遺産は何の ために作られたのか。皆さんは一体何のために鎌倉を世 界遺産に登録しようと思っておられるのか。あらためて 考えていただく一助になればと願っている。
 現在(2008 年4 月)、851 の世界遺産があるが、日本 の14 件を含め、すべての遺産に例外なくさまざまな危機 が及んでいる。とりわけ武力紛争、自然災害、開発など によって、深刻な事態を招いているものは「世界遺産リ スト」とは別に「危機にさらされている世界遺産リスト」 (現在30 件)に記載し、世界に注意を喚起し、保全への 支援や協力を呼びかけている。世界遺産は、遺産の保全 や修復に技術的にも財政的にも足らざる国々を、国際協 力によって支えていく仕組みとして生まれたものだ。言 うまでもなく世界の観光地の紹介や、地域おこしのため にあるのではない。
 「武家の古都・鎌倉ニュース」を読んで、気になる点が いくつかあった。たとえば「屋久島は世界自然遺産に登 録されたことにより、開発行為などさまざまな制限がか かっている」との指摘があったが、それは違う。当該国 が世界遺産に登録したい場合、まず自国の法律や行政上 の仕組みできちんと守られていることが申請の大前提。 世界遺産に登録されたことによって新たな規制が生まれ るということではない。日本の自然遺産の場合は自然公 園法や自然環境保全法などで、文化遺産の場合は文化財 保護法や関連法などできちんと守られているものしか申 請できない。
 また、よくヨーロッパは石の文化で、日本は木の文化 だと言う人がいる。だが、実は北欧や東欧には木造建造 物の世界遺産も数多くある。一方、日本の城郭建築はど うだろう。姫路城をはじめ、まさに石と木と漆喰ででき た混在文化だ。世界を類型化する見方は一面的であり、 危険だということを世界遺産は気づかせてくれる。世界 を単純にひとくくりで見ることは、将来への判断を誤る ことにつながりかねない。
 世界遺産の仕組みは万能ではない。世界遺産条約や条 約履行の作業指針に、何か強制力や罰則があるわけでは ない。保全する上での限界や欠陥も多い。もし、普遍的 価値と、完全性や真正性を失う事態になれば、世界遺産 リストから外されるだけのことだ。にもかかわらず、重 要なのはなぜか。それは遺産を守る上で、他に代わりうる、 これ以上のよい仕組みを、国際社会はまだつくり出せて いないからである。だからこそ、この仕組みを大事に進 化させていきたいものだ。
◎ 鎌倉は、世界の遺産の保全のために何ができるか
 私たちは、鎌倉ユネスコ協会の仲間らと、南米のアン デス山中の世界遺産周辺に三つの学校をつくった。先住 民ケチュアの子どもたちが将来、盗伐や盗掘、密猟に頼 ることなく少しでも自立して生きていかれるようになれ ばと願う。教材は鎌倉の中学生らが、たくさん集めてく れた。教育こそが、世界を変えていく原動力であり、学 ぶ機会を奪われている人々への最初の一滴だ。
 鎌倉を世界遺産にと考えるなら、わが身のことばかり でなく、その鎌倉が世界の遺産の保全のために何ができ るのかということも常に考え併せたい。人類の“共有の遺 産” とは、そういう意味だ。一方で世界遺産登録という国 際的評価を強く望み、他方で守るのはローカル・スタン ダードでというのは、国際社会に通用しない。コアエリ アだけでなくバッファゾーンを含め、守れそうにもない ものは、そもそも申請に入れて出すべきではない。
 世界遺産登録を望むということは、郷土の誇りである 遺産の価値を高めていく、たゆまざる努力をしていくこ との意思表明にほかならない。それは、大きな宿題を自 ら抱え込むことであり、その重い荷を、将来の世代にま で背負わせるということだ。その覚悟がないのなら、登 録を望むべきではないだろう。
 世界遺産というと、何か素晴らしいもののようにのみ 捉えがちだ。しかし、万里の長城やマヤのティカル遺跡 などを見た時に、素朴に感動すると同時に、それを造ら された側にも思いをいたすような、そんなたおやかな歴 史観や文明観を持ちたいものだ。世界遺産は、国家や民 族を超え、自然や文化の多様性を理解・尊重し、歴史の 多重性を客観的に複眼視することの大切さを教えてくれ る。その尊重なくして私たちの未来はないからだ。
 また、世界遺産だけが重要なのではない。足もとのど んなささやかな自然であれ、文化財であれ、それは等し く人類全体の共有遺産なのだという思いが重要。それを 少しでも損ねることなく、貧しくさせることのないよう、 個人の生き方や社会のありようが問われている。(了)

 

めざせ!世界遺産登録

鎌倉の学習と地域との協働    神奈川県立鎌倉高等学校

鎌倉高校では平成18 年度から鎌倉の世界遺産 登録推進活動への協力と いうテーマで、鎌倉市世 界遺産登録担当職員に講 師をお願いして自主講座 を開講し、鎌倉の学習や、鎌倉風致保存会の指導のもとで 御谷山林の下草刈りなどを実践してきました。こうした活 動をもとに平成19 年度からは、生徒の学習と地域の活動と の有機的な連携を目指して、学校全体で活動する仕組みを 立ち上げました。
1年生の総合的な学習の時間に推進協議会広報部会長の 内海恒雄先生に講師をお願いして、1年生全員に鎌倉の歴 史と世界遺産候補地についてお話をしていただき、それを きっかけとして自主研究という形で進めていくという学習 面の方で取り組みを進めました。一方では、和賀江嶋の海 岸清掃、北条氏常盤亭跡の下草刈りへ参加し、鎌倉の学習 と世界遺産登録活動への協力を実践活動で体験するという 活動を始めました。こうした学習活動とその実践を本校で は「かまくら学」と呼んでいます。
本年度は、一層の充実を目指して推進協議会等の方々と 年間の活動計画や活動内容について協議する場を設けて、 登録後の保全や活用を視野に入れた動きとなる企画を実践 しています。輝く若いエネルギーを放つ生徒たちが、地域 の活動と連携し、活動への参加を通じて自らのあり方や生 き方を発見し、ともに発展していければと考えています。

 

金槐和歌苑づくり    古都鎌倉を愛する会 

凛とした品格ある鎌倉造りに貢献しようと、政治や社会 運動等に関係のない人々が「鎌倉好き」というだけで集ま り、「古都鎌倉を愛する会」を立上げて3年目を迎えました。  鎌倉の史跡を、実際に発掘調査した学芸員の方々などの説 明を受けながら訪ねる、講演を聴く、海岸を清掃する、山 梨の御前水という名水を使った、防腐剤その他の添加物も 一切使わない純米酒を鎌倉武士と名づけて廉価で売り、鎌 倉らしい兜のバッジを売って、利益を古都保存のための基 金として生かしています。会員は東京・岩手などからも参 加、「武家の古都・鎌倉」が世界遺産に登録されるよう、世 界遺産登録推進協議会の活動にも積極的に参加しています。  協議会事務局や他の団体の方々に協力して、登録推進の ためのシンボルマークを世界から公募し、これをTシャツ 等にプリントして売り出すなど、協議会の活動資金作りに も汗を流しています。
鎌倉三日会という伝統ある会と連携して金槐和歌苑を 鎌倉市内に創る運動もしています。万葉植物園は全国 各地にあるのに、実朝の金槐集に出てくる草木を集め て、その和歌とともにお見せ出来る場が肝心の鎌倉に も、どこにもないのは大変残念です。四季折々の草花を 愛でる武士(もののふ)の心粋を世界に伝える縁 (よすが)としたいものです。  会と金槐和歌苑についてのお問い合わせは、中村公司 さんまで。

 

「古都鎌倉の世界遺産登録』ってなに?
第7 回 武家文化はどのような形で残ったか

「武家の古都・鎌倉」の歴史的遺産は、武家文化の 成立と発展を遂げた場です。 武家文化は、日本文化の大きな要素となりました が、室町時代以降には京都の公家文化などとも融合 しています。
では、現代日本の文化の中で、武家の文化はどの ように残されているのでしょうか。 武家に始まり日本人に定着した文化・習慣には、 源頼朝が毎年正月1 日に鶴岡八幡宮への参拝を決め たことに始まる初詣や、武家が僧侶の埋葬・供養方 法を取り入れたとされる墓塔を立てて周忌供養を行 う方法、禅と共にもたらされた喫茶などがあります。 また、鶴岡八幡宮で行われている流鏑馬神事は、 京都などで古代から行われていた公家流ではなく、 源頼朝が纏めさせた武家流です。この流鏑馬の作法 の部分は発展して、中世には武家の正式の礼法とさ れ、江戸時代には一般の人々へも広がり、今日では 日本人の礼儀作法の基本の一つとなっているのです。

 

News! the 世界遺産

「武家の古都・鎌倉」美術・写真展を開催しました

4 月15 日から21 日、鎌倉生涯学習センター地下 ギャラリーで、毎年、鎌倉まつりに併せて開催される、 鎌倉市観光協会主催の『「鎌倉の美」写真コンクール 入賞作品展』と当推進協議会のコラボレーションに より、『「武家の古都・鎌倉」美術・写真展』が開催 されました。
今回展示された作品は、鎌倉写真連盟に所属する クラブの代表メンバーが鎌倉の世界遺産登録候補地 を撮影し、また、鎌倉を代表する著名な画家20 数 名が鎌倉の世界遺産登録候補地を描いたものであり、 質の高い展示会となりました。
開催期間中、展示会に訪れた方 は、1,746 人にのぼり、鎌倉の世界 遺産登録を大いにPRすることがで きました。
この展示会の開催にご協力いただ いた鎌倉美術連盟及び鎌倉写真連盟 は、5 月5 日〜 11 日まで『鎌倉の 世界遺産登録を「アートで後押し展』 の開催にも取り組み、また、今年の 秋に予定されている「世界遺産登録 推進啓発写真・美術コンクール」に 向けて既に準備作業を始めており、 今後も様々な機会を捉えた展示会等 の開催が期待されます。

〜鎌倉の世界遺産登録に向けて〜
広報用ビデオ・DVDを無料で貸し出します

本推進協議会では、新たな広報啓発活動の一環と して、鎌倉の世界遺産登録に関する広報用ビデオ・ DVDを制作しました。「武家の古都・鎌倉」のコン セプト(考え方)、世界遺産登録をめざすことの意義 や目的、対象候補遺産24 箇所などを分かりやすく 紹介しています。各種会合や職場・学校などでぜひ ご活用ください。
◎貸出無料 
◎問合せ先:鎌倉世界遺産登録推進協議会事務局
(0467-23-3000 内線2674)

〜ワークショップ「世界遺産に鎌倉を」〜
実施報告書を配布中。次はあなたも参加してください!

3月15 日に開催されたワークショップ「世界遺 産に鎌倉を」では、多くの市民の方々が参加し、世 界遺産登録に対する様々な想いや考えが述べられま した。この内容をまとめた実施報告書を無料で配布 しています。お一人でも多くの皆様にご一読いただ き、次はぜひお誘い合わせのうえご参加ください。
◎問合せ先:鎌倉世界遺産登録推進協議会事務局 (0467-23-3000 内線2674)

 

Event! the 世界遺産

「ローカルからグローバルへ ― 鎌倉世界遺産登録にむけて ―」  養老孟司会長 講演会

市内の高校生と一般の方に向けて、鎌倉世界遺産登録推進協議会 養老孟司会長(東京大学名誉教授) から鎌倉の世界遺産登録活動についてのお話をいただきます。
とき/平成20 年8 月28 日(木)9 時30 分(入場開始)10 時〜 11 時30 分(講演時間) 
ところ/鎌倉芸術館 大ホール  定員/ 300 名(申込多数の場合、抽選)  参加料/無料
主催/鎌倉高校かまくら学研究連絡会 鎌倉世界遺産登録推進協議会
申込方法/往復ハガキ(1 枚につき1 名)に、(1)住所 (2)氏名(ふりがな) (3)電話番号を記入して下記まで
お送りください。締め切り後、折り返しご連絡いたします。  締切/平成20 年8 月21 日(木)必着
郵送申込先・問合せ先/〒248-8686 鎌倉市御成町18 番10 号   電話0467‐61‐3848
           鎌倉世界遺産登録推進協議会事務局 「養老孟司会長講演会」係
※当日は、鎌倉高校および鎌倉市内県立高校3 校の生徒と関係者約1200 人も聴講します。

Watch! the 世界遺産

5月20 日から25 日まで鎌倉生涯学習センタ ーにて第10 回かまくら市民活動の日フェステ ィバルが開催され、推進協議会より今までの活 動に関するパネルやシンボルマークの原画展示 などが行われました。  24 日、25 日には、シンボルマーク入りTシ ャツを販売、この機会にと購入する来場者でに ぎわいました。 

鎌倉世界遺産登録推進協議会ホームページ只今更新中!

http://www.shonan-it.org/KWH-kyogikai/

古都鎌倉の世界遺産登録についての最新情報や、会報バックナンバー、世界遺産MAPなど、
楽しい情報を満載しています。ぜひ、クリックしてみてくださいネ!

編集後記  

推進協議会の総会で、石渡鎌倉市長から平泉の世界遺 産登録の厳しい状況から、鎌倉が今年度に予定していた 世界遺産登録の推薦要請を見送るという報告がありまし た。残念ですが、準備に万全が期せるという点では良か ったと言えるよう私たちも協力して登録実現に向けて頑 張りたいものです。 総会では昨年よりも多彩な事業計画と予算が承認され、 本格的な活動が進められることになりました。またユネ スコ親善大使の平山郁夫さんが推進協議会の特別顧問に 就任されたのは、心強い限りです。
50 回記念の鎌倉まつりは、「世界遺産登録をめざして」 というメインテーマの下に、「いざ鎌倉」というわけで、 姉妹都市の参加も得た頼朝や義経らの武者行列や、世界 遺産登録祈願などが多数の参加者のもとで行われました。 ユネスコで日本はもとより国際的に活動されている工藤 父母道さんの講演会は、世界の世界遺産が抱えるさまざ まな問題から鎌倉にとっても深い示唆を与えてください ました。
世界遺産候補地の寺社特別拝観めぐりは、関係者のご 協力で、より望ましい特別拝観が実施できて好評でした。 準備期間が伸びた分だけ、推進協議会の活動もより活発 にしたいと思いますので、一層のご協力をお願いします。 <広報部会長 内海恒雄>

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