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第2回『みんなで考える「世界遺産おすすめルート」』(平成20年)
目次 と 報告1頁

第2回ワークショップ  目次
報告書 表紙   1頁
会場風景(写真)     1頁
報告とごあいさつ      ワークショップ実行委員長 福澤健次 1頁
ワークショップに際してのコメントと評   コメンテーター 赤川 学 1頁
Aテーブル報告 田川陽子〈テーブル進行) 2頁
Bテーブル報告 長谷川栄子〈テーブル進行〉 2頁
Cテーブル報告 山崎恵美〈テーブル進行〉 2頁
Dテーブル報告 横川 啓〈テーブル進行〉 2頁
Eテーブル報告   高木規矩郎〈テーブル進行〉 2頁
Fテーブル報告 大竹正芳〈テーブル進行〉 2頁
第2回世界遺産ワークショップの報告 コメンテーター 宮田一雄 3頁
ワークショップ 感想・寸評     3頁
ワークショップ データ    3頁
 
「世界遺産おすすめルート」報告書表紙写真
 
会場風景
会場案内看板 実行委員長 福澤健次氏あいさつ
コメンテーターの宮田一雄氏
  報告とごあいさつ  ワークショップ実行委員長 福澤健次
10月26日のワークショップは、前回のワークショップの閉会の際に複数回開くことを約束した経緯もあって、鋭意準備を進めてきて開いた二回目のワークショップです。
配布チラシにも書いたように、鎌倉の世界遺産候補地を巡るルートを自由な発想で、みなで考え、ルート作りを通じ世界遺産登録をめざす鎌倉の価値や魅力を、改めて吟味してみようという趣旨で行われました。
午前中の雨も納まってきた日曜日の午後に、参加者数人が囲むテーブルを6つ設け、夫々(それぞれ)で話合いをし、ツアー・テーマの検討を進め、テーブル毎のおすすめルートを作りました。
司会の私からのあいさつに続き、前回も参加されたコメンテーターの宮田一雄さんと東大の赤川学准教授から、ディスカッションに入るための参考意見をいただきました。
前回のテーブル構成は年代別や職能別、地域別に分かれたものでしたが、今度は1テーブルに若者からシニア世代まで混じり合うように設定しました。各テーブルに進行役と実行委員、市の世界遺産登録推進担当の職員が着くのは前回と同様でした。参加者は東京・横浜など、市外からの方たちが多かったのが今回の特徴でした。これは、パブリシティや観光問題などの重要さを考えれば、望ましい姿であったと思います。
 実は私は開始直前まで、今回のワークショップに「短い時間内にまとめるのには難しすぎるテーマ設定をしてしまったのではないか」という危惧を感じていました。
ところが各テーブルでの話し合いが進み、進行役から中間発表があり、その後のコメンテーター2氏の評を聞き、後半の各テーブルでのルート作りを見ているうちに、そうした心配は徐々に消えていきました。各テーブルから「おすすめルート」が発表される頃には、テーブルに集まった皆さんの集合的能力の高さに驚いていました。出されてきた各ルート案は全て異なり、ユニークなものばかりでした。
この報告書はこうして創り出された多くの労作や、テーブルでの活発な話し合い、作業の模様を伝える各テーブルからの報告、コメンテーター2氏の評や意見などを収録しています。
もちろん討議時間が短かった事は不利なことで、参加者・進行役・コメンテーターそれぞれが不完全燃焼の感を持たれただろう、という感触もあります。しかし市内外の広いエリアからの参加者が一堂に集える時間設定だった、と考えればやむを得ないことでした。
そこに残った不満は、この報告書の提出案をさらに望ましく、洗練させていく動力源に変るだろう、と楽観的に考えたいと思います。
「鎌倉の世界遺産のあり方」や「まちと観光の関係」、「まちの将来」など、大事なテーマに関わる意見が、「カマクラの場」と「時間経過」に直面する各テーブルで、参加者や進行役、協議会メンバー、コメンテーターの皆さんたちから出されました。こうして語り合う機会は市民参加で、まちを作っていくためにとても役立ちます。これからも積極的に取組んでいきたいと考えています。どうぞみなさん、よろしくお願いいたします。おわりに今年この鎌倉で作った句を数句、ご披露させていただきます。「山囲み波寄する町色めきて」、「獅子舞の山坂つつむ紅葉哉(かな)」、「生垣に小(ち)さき花見し幸い哉(や)」、「木漏れ日やこの鎌倉に生命(いのち)富み」、「吾(あ)も街(まち)も自然に融ける夕べ哉(かな)」、「この町に幸来たれと企みぬ」。初句・終句はまちづくりの理想に向かう動き、二句から五句までは鎌倉ツアー道中に出会える佳景を写しました。
  ワークショップに際してのコメントと評  コメンテーター 赤川 学
鎌倉は、海や山などの自然だけでなく、「武家の古都」としての文化遺産、さらには近世、近代も含めた歴史と文化、活発な市民活動など、さまざまな魅力に恵まれています。その意味では、住んでいる人にとってだけでなく、そこを訪れる人にとっても、たいへん「贅沢」なまちといえるでしょう。世界遺産おすすめルートを作るさいには、そんな贅沢さを最大限に活かしてくださることを切望します。
 少し具体的にいうと、二つの対照的な作りかたがあると思います。まず、「誰にでもみてほしい、誰でも訪ねてほしい」という普遍的(ユニバーサル)な価値を強調する方向性。もうひとつは、「知る人ぞ知る」「自分だけの鎌倉」というように、個々人にとっての思い入れを個別的(パティキュラー)に追い求める方向性です。これら二つは、ある意味で両極端ですが、これだけ豊富な素材があるからには、どちらを追究してみても面白いと思います。
 ただ、気をつけなければならない点もあります。たとえば地理上、まちづくり上の制約から致し方ないこととは存じますが、提案されたルートの中には、「歩いて回る」ことを強調するものが多かったように思います。個人的には散歩やハイキングが好きで、とても魅力を感じたのですが、他方で、健脚でない人、歩いて回れない人が鎌倉の世界遺産を味わうにはどうしたらよいか、ということにも思いを馳せていただけると、さらに魅力が高まると思いました。
 6つのグループから最終的に提案されたのは、12のコンセプトにもとづく、計16のルートでした。興味深いのは、どれひとつとして同じルートが存在しなかったことです。やはり、ひとによって鎌倉に抱く思いはさまざまであり、また、そうしたさまざまな思いが活かされたルートが数多く提出されること自体に、鎌倉に生き、鎌倉を愛する人たちの人間力、市民力が表れていたと思います。  さて、こうして16のルートが提案されてみると、やはりすべて踏破してみたくなるのが人情です。その際には、鎌倉を何回も訪れたり、極端にいえば住みつく必要があるわけですが、いろんな人が訪れたくなるまち、住みたくなるまちとは、どんなまちでしょうか。歴史や自然や遺跡などの観光資源が豊富に存在すること、それはたしかに重要なことです。
しかしそれにもまして重要なのは、そのまちを訪れたときに、そこに住む人たちの笑顔が輝いていること、そして、その土地を訪れたことをよい思い出として残し続けていただくことではないでしょうか。その意味では、すでにこのコースの中のひとつにも表現されている通り、「おもてなし」の精神、すなわちホスピタリティティが、住民の側にも問われているのだと思います。
鎌倉市が世界遺産として登録されるとき、それは望むと望まずとにかかわらず、鎌倉に住む人びとと、鎌倉に憧れをもって訪れる人たちとの交流の機会を増やすことになるでしょう。鎌倉を訪れる者が、敬意と節度をもってそうしなければならないのは当然のことですが、他方、お迎えする側のホスピタリティこそが、新しく、長続きする出逢いを育んでいく鍵となるようにも思います。鎌倉に生き、鎌倉を愛する人たちの市民力が、そうしたホスピタリティに満ちたものに、さらに発展していくことを期待し、祈念します。


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